1体重計に乗るのが怖いのは、なぜでしょうか
体重計に乗るのが怖いのは、数字がその日の自分の採点として使われているからです。体重は努力と関係なく上下するため、正しく続けた翌朝に増えていることが普通に起こります。採点の道具として扱うかぎり、乗るたびに気持ちが揺れます。怖さは性格ではなく、使い方の問題です。
怖さの正体を分けると、3つに整理できます。
- 増えていたら、これまでの頑張りが否定されたように感じる
- 減っていなかったら、次に何をすればいいのか分からなくなる
- 数字を見たあとの1日が、そのまま食べ方に影響してしまう
数字そのものではなく、数字を見たあとに起きることが怖いのです。だから対処は「見ない」ではなく、「数字に判断させない」方向になります。
当社では、体重を目標ではなく記録のひとつとして扱い、判断は見た目に置いています。考え方は 体重より写真を見る理由 にまとめています。
2その増減のほとんどは、脂肪ではありません
体重計の数字が動いても、その大半は脂肪の増減ではありません。体重は1日で1〜2kg変動するのが普通です。
変動の正体は水分・便通・塩分・食事量です。前の日に味の濃いものを食べれば体は水分を抱え込みますし、便通が止まれば中身の重さがそのまま数字に乗ります。
| 前日にあったこと | 翌朝の体重に出ること | 脂肪の増減か |
|---|---|---|
| 味の濃い食事・外食が続いた | 水分をため込み、増えて出ることがあります | 違います |
| 炭水化物を多めにとった | 糖質は水分と一緒に蓄えられます | 違います |
| 便通が2〜3日ない | 中身の重さがそのまま数字に乗ります | 違います |
| 生理前の時期に入った | 水分をため込みやすい時期です | 違います |
| 睡眠が短い日が続いた | むくみと食欲の両方に影響します | 違います |
| 食事量が数週間ふえている | 脂肪として増える余地があります | 可能性があります |
表のうち、脂肪の増減といえるのは最後の1つだけです。増えていた朝の多くは、水分や便通で説明がつきます。
食べすぎた翌日の動き方は 食べすぎた翌日にやること、やらないこと にまとめています。
体重は1日でどれくらい変動するのか
体重は1日のなかで1〜2kg動きます。朝と夜を比べれば、食事と飲みものの重さだけでも差が出ます。だからこそ、比べる相手は昨日の数字ではありません。同じ条件で測った1週間前の数字と並べて、はじめて変化かどうかが分かります。日単位の上下は、ほとんどが誤差です。
もうひとつ知っておくと楽になるのが、体重の変化は直線ではなく蛇行して落ちるということです。3歩進んで2歩下がる形になるため、日単位で見ると「減っていない」と感じやすくなります。
停滞期の考え方も同じで、日単位ではなく週単位で見ます。当社では、止まったかどうかの見極めに2週間を使っています。確認手順は 停滞期に最初に見直す3つのこと に書いています。
3体重計には毎日乗るべき?乗らないほうがいい?
どちらも正しく、分かれ目は数字を見て気持ちが動くかどうかです。見ても淡々と記録できる方は、毎日乗るほうが変化に早く気づけます。数字で1日の気分が決まってしまう方は、週1回に減らしたほうが続きます。頻度は性格と今の状態に合わせて選ぶもので、正解は1つではありません。
検索すると、正反対の答えが並びます。片方は毎日乗ることを勧め、もう片方は乗らないことを勧めています。どちらが誰に当てはまるのかを書いた記事が少ないため、読んだあとに迷いだけが残ります。
毎日測ることをすすめる記事は、減量が必要な体格の方に向けて書かれていることがほとんどです。式を控えた方に、そのまま当てはめられるものではありません。体格も目的も違うため、頻度だけを真似しても同じようにはなりません。
食べすぎた翌日ほど、乗りたくなくなる。その感覚自体は自然なものです。ただ、乗りたくない朝ほど、あとから見返したときに役に立つ記録になります。数字は読まずに記録だけ残す形なら、その朝も続けられます。
一方で、毎日は乗らなくていい・週1回でいいという立場の記事も多くあります。数字がストレスになると過食につながるためで、こちらにも理があります。人間ドックのクリニックが、朝と晩の1日2回測る方法をすすめている例もありますが、測るのが怖い方には負担が大きくなります。
| 今の状態 | 測る頻度の目安 | そう考える理由 |
|---|---|---|
| 数字を見ても気持ちが動かない | 毎日(記録だけ) | 変化に早く気づけます |
| 増えていた朝に食事を抜きたくなる | 週1回 | 判断する回数を減らします |
| 数字を見た日に食べすぎが起きたことがある | 2週間に1回、または測らない | 数字より行動を先に整えます |
| 式・前撮りまで3か月以内 | 週1回と写真 | 締切があるため完全には手放しません |
| 体調の変化を追いたい | 毎日(平均だけ見る) | 1日の数字では判断しません |
量るダイエットと量らないダイエットの比較を並べた記事もありますが、比べるべきは方法ではなく、自分がどちらなら続けられるかです。測るのが苦しくて続かない状態になっているなら、頻度を落とすほうが結果的に前に進みます。
4やめる前に、測り方を3つ変える
「乗る」か「乗らない」かの二択で考えると、答えは0か100かになります。その間に、測り方を変えるという第3案があります。当社が最初にお伝えしているのは、次の3つです。
①同じ時間・同じ条件で測る(朝起きてトイレのあと)。服装もそろえます。条件がばらばらの数字を並べても、変化なのか誤差なのかが区別できません。
②その日の数字では判断せず、週の平均で見る。記録アプリ・スマホ連動体重計・7日間移動平均を使うと、上下の波がならされて傾向だけが残ります。紙のノートでも、7つ並べて割れば同じことができます。
③数字を見たあとの判断は、写真か鏡に渡す。測って記録するところまでを朝の仕事にして、増えたか減ったかの意味づけは、直近の写真や鏡に任せます。朝に数字で判断すると、その日の食事の決め方まで数字に引きずられます。
5数字の代わりに何を見ればいいのか
体重の代わりに見るのは、写真・服の入り方・サイズの3つです。写真は正面・背面・横(右)・横(左)の4方向を、同じ場所と同じ服で2週間おきに撮ります。横を左右そろえておくと、片脚に体重が乗るクセなど左右の差まで見えます。服はウエストのボタンとファスナーで判断できます。
ほかにも、体重ではなく体脂肪率・腹囲・サイズを見る、写真で比べる・鏡で見る・服のフィット感で判断する、メジャーで部位を測る、といった方法が紹介されています。当社が日々の指導で使っている道具も、ほぼ同じです。採寸はウエスト・下腹・二の腕・太もも・ふくらはぎ・お尻の6箇所を見ています。
ただし、条件をそろえておかないと比べられません。時間帯・場所・明るさ・服がばらばらだと、体の変化なのか写り方の差なのかが区別できなくなります。撮り方の細かい条件は、プログラムの中でお渡ししています。
体重が動かないのに見た目が変わることは、珍しくありません。筋肉がついて引き締まると体重は増えることがあるためです。同じ重さでも、筋肉と脂肪では占める体積が違います。
体重ではなく、行動目標で達成度を測るという方法もあります。カレンダーに印をつけるだけでも記録になります。「たんぱく質を毎食入れた」「23時までに寝た」など、自分の行動だけで達成が決まるものを選ぶのがコツです。1食あたりの目安は たんぱく質は1日どれくらい必要か にまとめています。
海外セレブや芸能人の実践例が紹介されることもありますが、生活も仕事も条件が違います。取り入れるなら方法そのものではなく、続く仕組みのほうです。
体脂肪率は見たほうがいいのか
家庭用の体重計に出る体脂肪率は、体に微弱な電流を流し、体内の水分量から推定した参考値です。同じ日でも、朝と夜、運動の前後で数字が動きます。測るたびに値が動くことがあるため、1回の数字では判断せず、同じ条件で測ったときの動きだけを見ます。
見るなら、体重と同じ条件にそろえます。それよりも、ウエストや太ももをメジャーで測るほうが、変化としてははっきり分かることが多いです。数字を減らすなら、体重・体脂肪率・サイズのうち見るものを1つに絞るという選び方もあります。
6増えていた朝、その日1日をどう組み立てるのか
増えていた朝にすることは3つだけです。朝食を抜かない、水分をいつもより多めにとる、10分でも歩く。前日の塩分や便通で数字が上振れているだけの場合が多く、食事を抜くとかえって夜に反動が出ることがあります。減らす1日ではなく、戻す1日にします。
- 朝食を食べる。たんぱく質から入れます
- 水分をいつもより多めにとります
- 10分でも歩きます
- 前日の味つけが濃くなかったか思い返します
- 数字はメモするだけにします
- 食事を抜く
- 水分を控える
- 運動量を急に増やす
- 乗り直して測り直す
- その日のうちに結論を出す
やらないほうがいいのは、その日の食事を抜くことです。増えた原因の多くは水分なので、食べない対処では的が外れています。抜くと夕方に空腹が強くなり、夜に反動が出ることがあります。
水を抜いて数字を落とそうとするのも、当社ではおすすめしていません。控えるのは味つけの塩けだけにして、水はいつもどおり飲みます。水分が足りないと、体が水分をため込むことがあります。
朝のむくみそのものへの対処は 朝のむくみを取る、3分でできること が使えます。顔まわりの印象は、体重より水分で決まります。体調そのものがつらいときは、無理に整えようとせず、気になる場合は医療機関へご相談ください。
7それでも怖い日は、測らなくてかまいません
測らない日があっても、体は変わり続けます。乗るのが苦しい朝は、記録を1日飛ばしてかまいません。測ることが続ける妨げになるなら、その週は測らないという判断で問題ありません。
ただし、「測らない日を作る」ことと「放置する」ことは別です。記事によっては、体重計を捨てる・一切測らない選択を勧めるものもあります。数字から離れる時間が必要な状態なら、それが正解になることもあります。
一方で、行動を変えないまま数字だけ見ないようにすると、あとで戻す作業が大きくなります。現実逃避も時には必要ですが、離れるのは数字からであって、行動からではありません。ここに線を引いておくと、休んでも崩れません。
- 測らない日は作ってよい(なんとなくではなく、決めて休む)
- 測らない代わりに、写真か服の入り方で2週間に1度は確認する
- 行動の記録は続ける(食事・睡眠・歩数のどれか1つでよい)
8結婚式・前撮りまで日がある人が、ここだけ押さえること
結婚式や前撮りという締切がある場合、話が少し変わります。締切のないダイエットなら「測らない」で問題ありませんが、日程が決まっているときは、最低限の現在地だけは持っておくほうが安全です。
- 6か月以上体重は2週間に1回でも足ります。写真4枚を2週間おきに残しておきます
- 3〜6か月体重は週1回。写真4枚とウエストのサイズを2週間おきに
- 1〜3か月体重は週1回、平均だけ見ます。試着したときの感覚も記録に入れます
- 1か月以内体重は週1回。増減で食事を削りません。見るのはむくみ・睡眠・肌の状態です
理由は、ドレスのサイズを確定させる日があるからです。最終フィッティングの時点で今の状態が分からないと、打てる手が減ります。詳しい段取りは 最終フィッティングがきつい原因は?残り期間別にできる対処法 に書いています。
当社では、減量のペースを週に体重の1%まで(1ヶ月で約5%)を上限の目安にしています。残っている月数が、そのまま打てる手の幅になります。早く始めた方ほど、選べる方法が多くなります。
残り1か月を切ったら、体重は「大きく変えないための確認」として使います。この時期に数字を追って食事を削ると、当日の顔に出ることがあります。時期ごとの優先順位は 結婚式ダイエットはいつから始めるべきか、直前の2週間の使い方は 前撮り前の2週間ですること にまとめています。
9怖くて乗れなかった状態から、どう再開すればいいのか
再開の1日目は、条件を決めてから乗ります。朝、起きてトイレをすませたあと、同じ服装で1回だけ。数字は記録するだけで、その場では読みません。増えていても減っていても評価しないと先に決めておくと、2日目のハードルが下がります。比べるのは1週間後です。
- 1再開の日を決める予定の少ない平日の朝が向いています。生理前を避けると数字が上振れにくくなります
- 2測る条件を紙に書く時間・服装・回数の3つだけ。決めておくと、その場で迷わずにすみます
- 31回だけ乗る乗り直しはしません。数字を記録して、そのまま画面を閉じます
- 41週間後に比べる同じ条件で測った数字とだけ並べます。判断はここではじめて行います
数週間ぶりに乗る朝は、増えていることが多いものです。その数字は今の出発点であって、これまでの採点ではありません。
周期による増減の見方は 生理前に体重が増えるのは失敗ではない で詳しく書いています。
家族やパートナーに、数字を見られたくないときは
体重計が家族の目に触れる場所にあると、それだけで乗りにくくなります。これは気にしすぎではありません。見られる前提の数字は、記録ではなく評価になってしまいます。
測る場所と時間を変えるだけで、乗りやすさは変わります。
- 測る時間を、家族が起きる前にずらします
- 体重計の置き場所を変えます(自分の部屋・脱衣所の内側)
- スマホ連動の体重計なら、表示をアプリ側だけにする設定があります
- 紙の記録は、開いたままにしない
- 「数字は共有しない」と、先に伝えておきます
パートナーが良かれと思って数字を聞いてくることもあります。先に「数字ではなく、写真で報告する」と決めておくと、聞かれ方が変わります。
10「測るのが怖い」は、どこからが受診の目安なのか
数字が少し増えただけで一日中それが頭から離れない、食事を抜いてしまう、乗り直しを何度も繰り返す。こうした状態が続いている場合は、体重ではなく心の負担の問題になっている場合があります。ひとりで抱えず、心療内科などの医療機関や、公的な相談窓口を頼ってください。
当社は医療機関ではないため、診断はできません。ただ、目安として知っておいたほうがよいサインはあります。
- 体重計の数字が少しでも増えると、その日一日が台無しに感じる
- 1日に何度も乗ってしまう。乗らないと落ち着かない
- 食べたあとに、埋め合わせの行動をとってしまう
- 体重が減っているのに、まだ足りないと感じ続ける
- 生理が止まっている、めまいや立ちくらみが続いている
あてはまるものがあっても、それだけで何かが決まるわけではありません。気になる場合は医療機関へご相談ください。各都道府県の精神保健福祉センターや、摂食障害の支援拠点機関でも相談を受け付けています。
11体重計と怖さについて、よくいただく質問
Qよくある質問
体重計には毎日乗ったほうがいいですか?
体重計に乗らないダイエットでも変化は出ますか?
怖くて数週間乗れていません。どう再開すればいいですか?
毎日測ると増えたり減ったりで落ち込みます。
体重計を捨ててしまってもいいですか?
体重が減らないのに服がゆるくなりました。
生理前に増えた分は、いつ戻りますか?
12数字は、自分を責める材料ではありません
体重計は、状態を知るための道具です。自分を評価する装置ではありません。この区別がつくと、乗ることの意味が変わります。
当社では、体重より写真を先に見ます。写真は正直で、しかも数字ほど日々ぶれません。体重は補助的な情報として、7日の平均だけを見ます。
今日からできることを1つだけ挙げるなら、明日の朝は、測ったあとに直近の写真か鏡を1枚見て、判断をそちらに渡すことです。数字の意味づけは、週末に7日の平均でまとめて行えば間に合います。
式が終わったあとまで続く形にする考え方は 式のあとにリバウンドしないために にまとめています。
